|
![]() |
|
素敵なケープが出来るまで(1):始める前に
注文の多いキモノ店の上代さんから、資材が入荷しました。先日、販売開始僅か5分で完売した超人気のケープ3型の追加生産です。今回、上代さんに「作成過程をライブでアップしませんか?」と提案したところ、 快諾いただきましたのでこれからちょくちょくアップしていきます。 【資材入荷時の確認事項】☆縫製仕様書や指図書(発注書)に記載された明細と、実際入荷した資材の品番・色番・数量などをチェックします。 縫製仕様書に記載があっても指図書(発注書)に反映されていない場合も多々あり、また、パターンに指示があってもその記載モレがある場合なども稀にあるので要注意です!!。 ☆未入荷の資材があった場合、その再入荷日を先方担当者(アパレル生産担当・商社・資材メーカー)に確認をとります。 ★この時点でのチェックを怠ると、進行時に資材不足による生産ストップという事態が発生し、多大な損失が発生します。全て資材が揃ってから進行すれば問題がないのですが、この短サイクル生産のご時世それをやっていては納期は確実に間に合いません!!。 ☆各進行パート(設計・裁断・縫製・まとめ〜)に必要な資材をダイヤグラムに把握し、生産が遅延しないようにスケジューリングします。 (ここで上代さんから電話が入りました...) 本日発送予定の残りの資材に、在庫切れのモノがありまして出荷が1日遅れます...という内容でした。 この配慮...通常のアパレルではあり得ません!!。 感謝♪ 気持ちが通ったキャッチボールがスタートしています。 素敵なケープが出来るまで(2):パターンチェック本日より、新型[ケープトレンチ]のパターンチェックを開始します。パターンチェックは、弊社の生命線です。ルールのない様々なパターン&縫製仕様書を、この段階で社内仕様化します。これはどんな大手メーカー様のどんなお偉い方のパターンでも、同様の作業を施します。ここで[完全な設計図]を完成させないと、その後の作成工程内でのトラブルは多大な損害を発生し、大きなタイムロスになります。
☆まずは、折ってたたまれたパターンをアイロンできれいに伸ばします。折れた線をそのまま使用すると、必ず何mmかの誤差が生じます。ちなみにアイロンで紙は縮みません。試しに収縮データをとりましたら縦収縮は殆ど無し/横収縮は0.025%と問題なしでした。 パターンチェックと並行して、実際に使用する生地の収縮テストを行います。
(1)テスト用の生地をカット
生地の中央部分をカットします。生地端は打ち込み度合いが異なる為に適正な数値が検出されません。
(2)乾熱テスト
芯地接着条件と同じ、120℃・0.5kg/平方cmで乾熱収縮を加えます。
(3)データ測定
[シュランクメーター]を使用した4点計測で、乾熱テスト後の収縮データを測定します。(熱が冷めるまで1時間放置します)
(4)蒸気テスト
続いて蒸気アイロンを使用して、蒸気による変化を調べます。
(5)再計測
蒸気を加えた後のデータを計測&プリントアウトします。
乾熱後のデータと合わせて収縮データを作成します。
(6)この計測作業を、3時間後、6時間後と時間経過を経て実施します。
★最近の素材は難素材が多く、一度収縮した生地が半日経って半分だけ戻る...といった非常に取り扱いの難しい素材も登場しています。この時系列収縮率計測データに基づいて、生地を安定加工させるかパターンで調整するかを判断します。但し、あくまでもこれは縫製前のデータの為、縫製による縫い詰まり・生地の自重によるダレなど、実際に作成してからまた再調整を図ります。プレタポルテの世界では、このような難素材と日々向き合いながら、寸法誤差数mm厳守の世界で格闘しているのです。 【パターンチェックのポイント】 ☆縫製仕様書との確認 ☆ラインの繋がりを確認 ☆展開量の確認 ☆イセ分量の確認 ☆ノッチ(切り込み)の確認 などなど... このような項目を、実際の生地に当てはめて微修正します。 ☆★先様と頻繁に連絡を取り、コンセンサスをとる部門なのです★☆ 素敵なケープが出来るまで(3):裁断今回は、裁断編です。まず2型同時に進行いたしますので、流れを簡単に説明します。 洋服が完成するまでの段階として... T.先上げ(先行サンプル)作成&提出 ↓ U.検討&修正 ↓ V.量産進行&納品 と簡単に3段階に大別します。 今回依頼分の[ショートケープ]と[ケープコート]は、追加生産なのでV.からの進行〜 [ケープトレンチ]は、新型なのでT.から進行となります。 【追加2型のケープ】
(1)型入れ>
1着分に要するメーター数(用尺)を、生地幅の中に詰め込みます。コスト削減が叫ばれている昨今、先様からは用尺はギチギチに計算されてきますので、これと対決するのに四苦八苦する場合もたまにあります。。。
(2)延反>
自動延反機に用尺と必要枚数をセットして、延反を開始します。(写真は接着芯を延反中〜)(3)粗裁ち(裁断)> 延反した生地の上にパターンをセットして裁断機でカットします。生地変化がする場合や全面芯を貼るパーツは、正確裁断せずにパターンの周りにゆとり量を付けて大きめに裁断します。これを粗裁ちと言います。
(4)接着芯を貼る>
表地の強度を保ったりシルエットを形作る目的で、接着芯を貼ります。表地の裏面に接着芯を乗せて、ローラー式接着プレス機に通します。(5)地のし> 全面芯を貼るパーツは(3)の作業で形状安定しますが、貼らないパーツは製品になるまでのアイロン作業等で変化する場合があります。前回の生地収縮試験の結果、生地に収縮が発生しましたので全面芯を貼らないパーツにも同一条件の熱/圧力を加えます。この作業を地のしと言います。
(6)パーツを揃える>
接着芯を貼ったり地のししたパーツを、地の目を通しながら重ねていきます。表面を見ながら、キズなどの不良がないかどうか確認しながら重ねていきます。通常の重ねは一方方向に重ねていきますが、毛足のある素材はズレてしまう為に今回使用するカシミア混などは、1人ずつ中が表になるように組ませて重ねます。(替カラーを重ねます)
但し、パーツによりましては左右非対称パーツがありますので、その場合は
間に他素材を用いて間に挟みます(「アンコを入れる」と言います)。
(7)パターンをセットする>
重ねたパーツの上にパターンをセットします。
(8)立体裁断(正裁ち)>
パターンをセットしたパーツを、立体裁断機(バンドナイフ)で正裁ちします。バンドナイフとは、電動糸ノコがデカくなったようなもので、バンド状の金属ナイフがドラムの中で高速回転して生地をカットする仕組みになっています。正確な裁断精度が要求されますので、テーブルはエアーが吹き出て=ちょうどゲーセンのエアーホッケーのようなエアーテーブルになっています。厚手の生地でもスムースに操作可能となります。合印などの印を入れて、裁断品が完成します。 【新型のケープトレンチ】今回の先上げサンプルは、ブラックウォッチを使用します。
(1)型入れ>
延反テーブルに乗っかって撮影!!。1人用尺は、3mを越えます。上記(2)〜(5)と同様の手順を経て... (6)針を刺して地の目を通す> チェックなどの柄物素材は柄合わせが必要となりますので、任意の基準ラインが通るように針を刺してパーツを固定します。柄物の場合、往々にして柄のピッチが異なったりしますので、量産進行の際には全パーツに連番を打って番号同士を組み合わせて作成する...という非常に手のかかる作業が付加されます。
(7)正裁ち>
先上げサンプルは1枚なので、バンドナイフは使用せず...裁断包丁でカッティングします!!。職人技です♪。※前回述べた正確な設計図に基づいて、正確な裁断を行います。単純な話ですが、パターン通りの裁断品であればパターン通りに縫えるのです。その単純な話がとても難しいのです!!。硬い素材変化しないものならばここまで手を掛ける必要もありませんし、とっくに自動化されています。一部[自動裁断(CAM)]で自動化されてはいますが、裁断全体が自動化される事はこれからもまず無いでしょう。。。縫製ならば、なおさらです。 次回は...いよいよ縫製編です。 素敵なケープが出来るまで(4):縫製〜穴かがりT.縫製縫製工程は、細かなパーツをアイロンワークとミシンワークを繰り返して縫い合わせ洋服としての外観を完成させる部門です。一言で言いますと...二次元から三次元を作り上げるというコトです。 与えられた資材...表地・パターン・縫製仕様書は、全て平面の二次元の世界です。その二次元の世界を、パターンの先にあるデザイナーさんパタンナーさんの思い描いている姿をイメージングしながら、三次元(立体的)に作り上げていきます。このどれだけイメージング出来るか!!が、国内しかも首都圏型工場の生き残る姿だと考えていますし、この感性が日本発/匠の技となるのです。 (前置きが長くなりましたが...) 今回は、
の3台の縫製機械を使用して縫製します。 ★弊社の場合は[完全丸縫い(セル生産)方式]ですので、1着を完成まで1人が担当して作り上げます。 ※今回はパーツ数が多いので、多少はしょってアップしますm(_ _)m。。。
※[縫製]におけるポイントは、このBlogの[技術研修会]のカテゴリーをご覧下さい。詳細に説明しています。 U.穴かがり
外観が出来上がったケープに、ボタンホールを開けます。ボタンホール(穴かがり)は、近くの専門の工場に依頼します。こちらは、弊社がいつもお願いしている[豊栄穴かがり工業所]さんです。 この糸の種類の豊富さと、整理整頓された社内が表す通り、とても綺麗で正確なボタンホールが開けられます。弊社以外でも、近郊のプレタ工場さんも豊栄さんに依頼しています。友人で二友会副会長の潟{ンローブ高須くんも、豊栄さんです。
[鳩目穴かがり]
鳩目穴という種類のホールを開けます。このホールは身頃の裏側から開けます。
[閂(カンヌキ)止め]
ボタンホールのホツレ止め糸始末をします。〜このあとは、手まつり・採寸・仕上げプレスとなります。。。 素敵なケープが出来るまで(5):マツリ〜仕上げプレス編穴かがりから、弊社にケープトレンチが戻ってきました...これから最終仕上げに向けて、あともうひと踏ん張りです!!。T.マツリミシンでは縫えない箇所を、針と糸を用いてまつっていきます。
[中綴じ]
表地と裏地がパカパカ開かないように、脇線を綴じます。ミシンでも綴じられますが、少し緩みを持たせながらまつっていきます。
[裾マツリ]
裾マツリに関しては、[ルイス]という機械を使用してまつっていきます。
マツリ糸が表にひびいてしまうようなデリケートな素材や、夏物などの
裏無しのデザインは、[奥まつり]という呼び名の手マツリで対応いたします。
[ボタン付け]
最近ではボタン付けの自動機が登場しましたが、多種多様なボタンに対応する
弊社では、今もボタン付けは手作業(手付け)です。[指抜き] を指に付けて、ボタンと生地に糸を通します。生地の厚み分を考慮して 浮かし分量を持たせ、ボタンが取れないようにグルグルと糸をしっかりと巻きます。 これは[根巻き]といいます。 U.採寸
マツリが終了しましたらボディに着せて、仕上げアイロン前の採寸
及び最終チェックを行います。採寸は、仕上げアイロン後にも実施します。V.仕上げアイロン各種サンプル類や難素材のものはボクが直接携わり、最終確認をしながら仕上げアイロンをします。
まずは平台に身頃を置いて、裏側から地の目を見ながらアイロンします。
素材に応じてスチーム量・圧力・バキューム量を調整します。
裏側から一通りアイロンを入れたら、表側を今度は馬アイロン台を用いて立体的にアイロンします。地の目を見ながらのアイロンは当然のコトですが、ここで重要なのは、服を立体的に丸く仕上げる...というコトです。 どこがバストトップなのか、ウェストのシルエットは出ているか、衿の据え具合はどうか...などを頭に入れながらアイロンをいれます。 何も考えずにただ漠然とシワ取りプレスだけをやられてしまうと...折角のシルエットが見るも無残に崩れてしまいます。 仕上げアイロンは化粧師なのです。 ただし縫製が綺麗だと、余計なアイロンを入れる(厚化粧する)必要がありません。 縫製も素肌美人が理想的♪。 (自分の担当工程は、講釈が多くなってしまいますが...(笑) そうこうしているうちに仕上げも完成いたします。) 仕上げアイロン後に、各部門のリーダーが集まってサンプル検討&内見会をして、多くの確かな目で確認した後に、道中の無事を祈りながら送り出します。 素敵なケープが出来るまで(6):サンプル完成素敵なケープトレンチの先上げサンプルが完成しました♪。
実は今朝、本日完成サンプルが完成する旨を上代( )円さんに電話しましたら、なんと夕方取りに来て下さる!!との嬉しい返事が返ってきました。 それもありまして、本日一気にサンプルを仕上げた訳でございます。。 上代さんに確認していただき、早速検品の為に持ち帰っていただきました。わざわざご足労いただきましてありがとうございました。
| 縫製工場ケーエムの強み |
縫製工場ケーエム縫製技術 |
縫製工場ケーエムの縫製設備 |
縫製工場をお探しのデザイナー様へ | 縫製工場ケーエム作品ギャラリー | 縫製工場ケーエム会社案内 | 縫製工場ケーエムFAQ | 縫製工場ケーエム求人情報 | 縫製工場ケーエムプライバシーポリシー | Copyright ©2006 ケーエム縫製 All rights reserved. Produced by i-pocket. |